program report

レポート

11l09vol.05
「amana for kids」プログラム開催

アイデアの種を育てて
AIと一緒に創造体験

「amana for kids」のプログラム「創造するってなに? AIはどうつかえるの?」が開催されました。頭の中にあるアイデアやイメージを、AIと一緒に形にしていく体験に挑戦。AIを使いながら、創造することとは何かを探索するプログラムです。

講師はamanaのディレクター・堀口高士。AIとの創造性を探求するクリエイティブチーム「EVOKE」のリーダーです。

アイデアを自由に広げていく

子どもたちは「100年後のワクワクする学校を描こう」に挑戦しました。①テーマを決め、②現状の課題を探し、③解決案を考え、④さらにアイデアをふくらませて、⑤アイデアをまとめる…という5つのステップを、ワークシートに書き込みながら、自由に考えてもらいます。お友だちや各テーブルのサポーターである、amanaのメンバーに相談するのもOK。会話からアイデアが生まれることもたくさんあります。

知ってほしいのは、AIにどんなオーダーをするのかを決めるのは自分自身だということ。AIにただ「100年後の小学校を描いて」と言うのではなく、まず自分の頭の中でイメージをふくらませ、どんな世界にしたいかを組み立てる。そのうえで、自分だけの「創造」へと落とし込んでいくことが大切なのです。

魔法みたいな「遠足」ってどんなもの?

小学校3年生の参加者は「100年後の学校の遠足」を題材にしようと決めました。

まずは、「創造の種」をみつけます。今の学校の遠足で「ここがあまり好きじゃないかも」という課題探しからスタート。

「遠足の移動をしている間は、静かにしないといけない。楽しい遠足なのに友達と一緒に騒げないところがつまらない!」という点を掘り下げて「だったら、どんな移動だったら楽しいかな?」と考えはじめます。

「3階だてのバスで、一番上が屋上みたいになっていたら気持ちよさそう。それか魔法のじゅうたんで移動するのもいいかも。魔法のほうきで空を飛ぶのも楽しそう! 動物たちも一緒に乗れたらいいな」と、アイデアが次々と溢れます。

生まれたたくさんのアイデアから今回の作品タイトルを「自由な魔法の遠足」に決定。AIに伝えて、想像したアイデアをビジュアル生成しました。

「学校では決まったことを覚えないといけないけれど、このワークショップは自由に考えたことが形になるのがすごく面白かったです。AIは、賢い存在だと思っていたけれど、自分がちゃんと伝えることが大事なんだって知ることができました。AIもたまに間違えたりする。それをちゃんと見てあげないとなって思いました」

苦手な「算数の授業」を変えてみたい

小学6年生の参加者は「とにかく算数が大嫌い!」というところからテーマを「100年後の学校の算数」に。なんで算数が嫌いなんだろう?から創造の種を探します。

「問題を解く時間が足りない、先生の説明がわかりにくいこともある、テストはいらない!」と筆がどんどん進み、だったらどんな算数ならやってみたい?と、発想を広げます。

「先生がロボットだったら楽しそう。授業がゲームになっていたら熱中できるかも。だったら、パソコンを使って自習でできそう。算数の授業を得意な体育にしたらいいかも!」

最終的に「算数バイバイ共和国」というタイトルに。算数のない授業風景を描いたビジュアルが完成。「自分が想像した理想の世界が絵になって驚きました。AIってすごいなと思いました」。

これからの子どもたちに必要な教え

観覧していた保護者の方々からも、AIと子どもたちとの付き合い方について、新しい発見があったと感想をいただきました。

「AIは、これから必ず触れるもので、子どもたちは、AIとの“いい付き合い方”を知っていないと生き残っていけない世代だと言えると思います。だから、子どもたちにとってAIとのファーストコンタクトをどういうものにすべきか、それがとても重要だと思っています。その中で、『amana for kids』のこのプログラムを知り、AIの有用性やリスクの両面と、創造するワクワクを教えてもらえたのはとてもよかったと思いました」

「未来を生きる子どもたちに知って欲しいことや触れて欲しいことがテーマでとても良かったと思いました。AIという分野は、学校の授業で教えていないし、習い事化もまだされておらず、親が教えるのも難しいもの。学びが絶対に必要なのに開拓されてない未知のエリアです。それをプロの表現の現場で使われている最先端のツールを使い、子どもたちに実感を持って教えてもらえるのはamanaならでは。とても時代に合っているものだと感じました。これからも、このように『学校では教えてくれないこと』『ビジュアルの持つ力』を教えてもらえる機会をもっとつくってもらえたらうれしいです」

生成AIがビジュアルを生み出す瞬間を子どもたちが楽しそうに待っている様子が印象的だったとクリエイティブチームのメンバーたちも振り返ります。

「ワークショップの中で、最も盛り上がりを見せたのは生成AIで画像生成され、子どもたちがまとめたアイデアがビジュアルとして出来上がった瞬間でした。どの子も、ワクワクとした様子で、できあがったビジュアルに歓声が起こる場面も。また、生成された4枚の画像の中から1枚を選ぶ工程でも、真剣に吟味しながら楽しんでいる様子も印象的でした。選んだ画像の特定の部分をもっとブラッシュアップしたいと試みる子もいて、クリエイティブな意欲が刺激されているなと感じました」

AIの最先端の現場から伝えられること

ワークショップの終わりには、堀口からこれからどうAI時代と向き合うべきか子どもたちにメッセージが送られました。

「今日みんなが2時間かけてやったことも、面倒だから考えないでいいやと全部AIに任せれば、5分くらいで『作品のようなもの』ができあがる。言われた通りに選んで操作するだけで、できてしまいます。でも、それはとても危険なことです。AIは、とても便利で強い武器になるものだけれど、それを使う人が『どう考えているのか』『何を作りたいのか』ときちんと向き合えているかが大事。今回は、その仕組みや考え方をみんなと共有できたと思っています」

頭の中にある抽象的なイメージを具体的なビジュアルに描き出してくれるAIツールはとても便利なもの。それを自身のクリエイティビティとして、どう活かしていくのか。ビジュアルワークを手がけるamanaでは、最先端の現場でそれを考え続けています。「amana for kids」では、これからも子どもたちと、AIツールを使った思考と創造のプロセス体験の機会を広げていきたいと思っています。